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TONI&GUY JAPAN
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45年もの間、ロンドンを中心に美容業界の第一線に立ち続けてきたTONI&GUY。そのイギリス本部と提携して、株式会社トニーアンドガイ ジャパンが創立したのは1984年のこと。ロンドンのサロンで活躍していた雑賀健治氏が、日本を含むアジアマーケットでの活動を任され、その代表となる。以来、青山店、原宿店、新潟店、福岡店など22店舗を展開。今年の春には恵比寿店もオープンした。「女性をソフトでセクシーに見せるヘアスタイル哲学」をもとに「満足・感動・夢を与えるサロン作り」をスローガンに掲げ、こだわりを持つ顧客から圧倒的な支持を得ている。
http://www.toniguy.co.jp/
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技術を伝える教育システムが十分に確立されているトニーアンドガイでは、世界中で働く7000人以上のスタッフが同じように高い技術を誇っている。ただ、根幹となる企業理念はクチコミで伝わってきたにすぎず、マネジメントについてはシステムの構築がなされていなかったという。来年で25年を迎えるトニーアンドガイ ジャパンでは昨年あたりから、25年間の集大成としてさまざまなシステム化に取り組んでいる。中枢を担うヘッドオフィスの大井拓人氏に、その戦略を尋ねた。
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行動の指針はフィロソフィーにあり

どんな仕事をしているんですか?という質問が、実はいちばん困りますね。スタイリストとして現場を経験した後、ヘッドオフィスに移ってからというもの、ほとんどの仕事は自分で作ってきました。今は、各サロンのデータ分析や顧客分析をもとにしたマネジメントやその教育、PR戦略、印刷物の製作デザインに至るまで、あらゆることを手がけています。
特に、トニーアンドガイ ジャパンが設立されてから25年間築いてきたものをマニュアルにまとめるなど、一つひとつをシステム化することが、今の僕の重要な仕事です。

ここ1年かけて取り組んできたものは企業理念。それまでにも、代表の雑賀からクチコミのような形でスタッフに継承されてきた漠然としたものはあったのですが、昨日入ってきた新人にもトニーアンドガイのフィロソフィーが伝わるように、1つにまとめようと。それが現在ウェブサイトにも紹介している“TONI&GUY JAPAN パスポート”と、企業理念、「皆の幸せのために何ができるか」です。

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TONI&GUY JAPAN パスポート

他にも事業理念、グループミッション、グループスローガン、グループビジョンに分けて、フィロソフィーを明確にしました。外に向けてのブランディングも大切ですが、その前にまずは中から、スタッフのブランド意識を高めようと思ったわけです。

フィロソフィーをつくる上では、とにかくどんな状況においても例外ができないようなものにしようと考えました。たとえプライベートにおいても、そのフィロソフィーがどこかに生かされるような。そしてスタッフが迷った時に、“TONI&GUY JAPAN パスポート”を見れば霧が晴れるように、ポジティブになれるようにと。トニーアンドガイという枠ではなく、サロンや美容師という枠でもなく、その人自身の人生がより良いものになるように、という願いも込められています。簡単なものだけど凝縮されている。原点でもあり、未来の目指すべき指針ですね。

技術と情報の共有でブランド価値を高める
世界で展開しているサロンで、どこの店舗でも同じ教育がなされているのはトニーアンドガイぐらいでしょう。「技術教育」が一番の売りですから。独自のアカデミーがあって、全世界共通の技術マニュアルがあります。毎年10月にロンドンでコレクションが開催されますが、そのカット技術が撮影されたDVDも全サロンに届きます。
ただ基本は同じでも、それを自分の国のスタイルに落とし込んでいく必要はあります。日本人の髪質や好みに合わせて、どう変換するか。コレクションのスタイルも、日本のトレンドやテイストを加味してアレンジしています。

また技術の共有だけではなく、トニーアンドガイの足跡や店舗デザインのコンセプトなど、これを読めばトニーアンドガイのすべてがわかるというような冊子もロンドンで作られていて、それも世界中のサロンに配られています。ですから店舗の内装もスタイリッシュでクールなイメージで統一されているなど、ブランド価値が世界中で保たれているわけです。僕は、このトニーアンドガイのロゴもバランスがとれていてインパクトがあって、ブランド力を高めている要因のひとつだと思います。

359日の間、お客様にサプライズを与えたい
今まではどちらかというと技術に偏っていた部分がありました。でも、せっかくそこまでの技術があるのなら、もっとたくさんの人に知ってもらいたい。ただ、不特定多数の人ではなく、トニーアンドガイに興味を持ってくれた人に対して、「うちはこういうサロンですよ」とブランドの魅力を伝えたい。それが今おこなっているPR戦略の方法です。

まずは、お店に来てくださっている人に広告塔になってもらうために、お客様がクチコミをしたくなるような感動する出来事をつくろうと。それは技術や接客に対する感動だけではありません。来店時に感動していただくのは大前提。それはどこのサロンでも目指していますから。でもトニーアンドガイ ジャパンでは、お店に来られていない時のサプライズを起こしたい。普通の人が美容室に行くのは2カ月に1回ぐらい。1年365日中わずか6日ぐらいです。残りの359日の間にお客様をどう感動させるのか、それがPRの仕事だと思います。

ウェブサイトや携帯サイトのコンテンツを工夫したり、雑誌やテレビで宣伝するのも、感動を与えるのが目的のひとつ。自分がいつも行っているサロンがテレビに出ていたら嬉しいじゃないですか。とにかく359日の間、トニーアンドガイの名前を忘れてしまわないように、少しでも思い出してもらいたい。

感動を引き出すための参考にしているのが、お客様へのアンケートです。以前は「どこが良くなかったですか?」というマイナス面を尋ねる質問形式のアンケートでしたが、それではスタッフのモチベーションを下げるだけで、お客様の感動にはつながっていませんでした。そこで自由に感じたことを書いていただけるような様式に変えてみたのです。
すると回答率もグンと上がって、人柄や接客が良かった、居心地が良かった、などの感動の声が自然と集まってくるようになりました。自分たちは「売りは技術だ」と思っていたけれど、お客様からの声の7割は接客に関しての意見だったというのも、いろいろなことを見直すきっかけになりましたね。アンケートの結果はウェブサイトでも「カスタマーズボイス」として掲載しています

すべては、スタイリストのポジション向上のために
ブランド全体のPRだけではなく、個店販促も大事な仕事です。各店舗の広告はすぐに捨てられてしまわないように、できるだけクオリティーの高いものを心がけています。内容も他のサロンとはちょっと違っていて、スタッフの紹介がメインになっています。初めてのサロンに行くときメニューや価格と同じぐらい気になるのは、スタッフのことだと思うから。広告をこのような内容にすることで、少ない部数でも確実なクチコミを生むことができ、その費用対効果はかなり大きいです。

このように新規客の開拓からPR、リピートしていただくためのさまざまなシステム作りなど、実際の現場でスタイリストができないことを補うのが僕の役割です。施術以外でブランドの価値を高めていくこと、ブランド力が加わることで一介の美容師から“トニーアンドガイのヘアデザイナー”へと一人ひとりのスタイリストのポジションを向上させていくことが、ブランディングの真の目的だと思います。そして日本の美容師さん全体の価値を上げること。それが今後目指す道ですね。

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大井拓人
TAKUTO OHI
2001年、TONI&GUY JAPANに入社。青山店にてスタイリスト、シニアスタイリストを経験した後、2006年、本部に異動、現在に至る。2004年「JHA 東京エリア賞」を受賞。

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